郊外に建つ若い夫婦のための家。
三浦半島の中ほど、駅前ロータリの直近に立地しながら、驚くほどのどかな小さな谷戸の集落の中にある。敷地は、もとあった土地を分譲したうちのひとつである。北側隣地には建売住宅、東側は木造3階建アパートが建ってしまったが、南北に走る西側前面道路に沿って南側に開いており、良好な採光が期待できるとともに、視界も遠景まで抜ける。
配置計画としては、防犯とプライバシーを確保するため、北・東側を徹底的に閉じる。そして駅へ向かう人通りのある前面道路が気にならないよう、ほどよい関係を持ちながら、南側隣家の杏の木を借景として南側に開く計画としている。
しばらくは仕事を持つ二人で住まう家となるので、平日の生活と休日の生活を十分考慮するとともに、お互いの場を持ちながらも、いつでも息づかいが感じられるような空間構成を目指した。さらに夫は、レーシングカーのメカニックという職業であるとともに、車・バイクを所有しメンテナンスをすることを趣味としているため、ガレージを計画することが求められた。
全体構成としては、リビング、キッチンとその上に重ねられる寝室を中心とした居住スペースとガレージを内部と外部を媒介する空間としての玄関・浴室でつなぐというシンプルな平面構成となっている。このことは、夫の趣味空間であり外部空間となるガレージと妻の居場所である内部空間となる居住スペースが媒介空間である玄関、浴室を介することで、空間的に連続することになり、外部と内部であっても互いの息づかいが自然に感じられるような関係を持てる。一方、断面構成としては、リビングと寝室、洋室を包み込むように地面から立ち上がる腰折れ屋根が架かる。
お互い仕事を持つ二人にとって朝は平日の大事な時間である。腰折れ屋根が2階部分の片流れ屋根の上にオーバーラップすることで出来るハイサイドライトから、3階建てアパート越しに優しい朝陽が天井をなめるようにリビングに滑り落ちてくる。さらに外部と内部の境界が曖昧なこのあたりの独特の生活習慣を各所に参照することで、この家は外部と内部の環境がほど良い関係を持つ二人のための気持ちの良いものとなった。
所在地:
神奈川県横須賀市
設計監理:
意匠・設備:
バハティ 一級建築士事務所/庄司 智子 佐藤 誠司
構造:
泉秀知建築構造設計事務所/泉 秀知
施工:
㈱キクシマ/上地 健優
構造・構法:
木造在来工法
規模:
地上2階建 軒高 7.285m 最高の高さ 7.565
敷地面積 100.00㎡
建築面積 59.11㎡
延べ面積 89.50㎡
1階 59.11㎡
2階 30.39㎡













