広い宅地の豊かな緑のうえにふっと浮かぶように、大きく片流れ屋根がかかるシンプルな形態を配置しています。このシンプルな形態は海の近くの丘の上にあるこの敷地の空の広さを背景に軽快感を持ちながら、街並みに圧迫感を与えないため、この家がふところの深さを持つこのあたりに相応しいたたずまいとなります。
内部は大きく個室の並ぶプライベート性の高い1階とパブリックで開放的な2階というように明確に空間の性質が分かれています。この家では全体の構成を生活の行為を包含するワンルーム的なものではなく、行為をある程度分節しおのおのが独立したスペースをもち、家族それぞれが自分自身を醸成出来るような環境を作り出しています。そして、それぞれのスペースの相関性と連続性をさまざまに操作することによって、いくつものシーンを持つ多様性を獲得するとともに機能的にもメリハリのある空間となっています。
新しい生活の場となるこの家が周りの環境になじみながら、夫婦と子供(たち)の3つの個性を象徴する
個室たちがしっかりと地に足をつけて自立することで、家族が一緒に共存し、生活をし、成長していく場を形態的にも思想的にも支えるようないえのかたち・・・
それがこの「みつあしのいえ」となります。
こうしたことを実現させるために以下のようなエッセンスを加え、この「みつあしのいえ」を
構成するための手がかりとしています。
●2つの庭
もとからある緑豊かな庭は手をつけず残します。そして新たにコートヤードを北東側に対置します。
このコートヤードは機能的には建物の中心部への採光や通風を確保するためでもありますが、さらに
もとからある庭に対してさらにエンクローズされたプライベートな性格を持ったものとしています。
この性格の違う庭を作ることにより、この庭とどのように関係付けられるかでスペースの性格は決まってきます。
●2つの玄関
みつあしのいえには2つの性格の違う玄関を設定しています。パブリックな玄関としての主玄関は2階
にあり階段でアプローチします。プライベートな玄関としてのファミリー玄関は1階にありガレージを抜けコートヤードよりアプローチします。この2つの玄関の適切な設定により、1階と2階の性格が明確となると同時にそれぞれの玄関からの動線が、各スペースの性格と構成を決定付ける要因となります。
●多様なレベルについて
みつあしのいえは、多様なレベルによって構成されています。ガレージと宅地のレベル差を建物内で吸収するだけではなく、そのレベル差による各スペースの相関性と連続性を操作するツールとして積極的に利用しています。
●ランダムな個室配置
個室をランダムに配置することで、各種の不整形なスキマが出来ます。このスキマは、独立性の確保された各個室同士をゆるく関係付ける中間領域として機能したり、庭とコートヤードをつなぐ通路空間として機能したりします。
設計:
バハティ 一級建築士事務所/佐藤 誠司 庄司 智子
構造・構法:
木造 鉄筋コンクリート造
規模:
地上2階 軒高6920mm 最高高さ7320mm
敷地面積 307.05㎡(92.8坪)
建築面積 114.20㎡(34.5坪)
延べ面積 200.87㎡(60.7坪)
容積率対象面積 169.28㎡(51.2坪)
1階 74.01㎡(22.7坪)
2階 95.27㎡(28.5坪)
駐車場面積 31.59㎡(9.3坪)










